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急性中耳炎
ほとんどは風邪の症状に伴って、鼻の奥と耳をつなぐ耳管という管を伝わって、ウイルスや細菌が鼓膜の奥に入ることが原因で起こります。耳の痛み、発熱、耳だれ、耳のつまり感、お子さんの不機嫌、などの症状があります。1~3歳くらいまでのお子さんによく発症します。放置すると長引くことがありますので早めの治療をお勧めします。
滲出性中耳炎
主に急性中耳炎のあとに鼓膜の奥にたまった液が抜けずにそのまま残ってしまったものです。通常痛みはありませんが、聞こえが悪く呼んでも振り返らない、テレビの音量が大きい、耳が詰まった感じがするなどの症状で受診されるケースが多いです。通院治療で改善することが多いですが、経過が悪い場合は、鼓膜に穴をあけて小さなチューブを入れることがあります。
慢性中耳炎
鼓膜に穴が開いてふさがらない状態で耳だれや難聴などが主な症状です。耳だれが続いているときは通院治療が必要です。点耳や耳の洗浄、場合によっては抗生物質の内服を行うことがあります。場合によっては手術が必要となることがあります
真珠腫性中耳炎
中耳に真珠腫という垢の塊ができて周囲の骨を溶かしてさまざまな症状が出現する中耳炎です。難聴や耳だれはもちろんですが、進行すると顔面神経麻痺や、めまいまで起こすことがありますので注意が必要です。治療は手術が必要となることがあります。
外耳炎
耳の奥にある鼓膜までの部分を外耳道と呼びますが、この部分に炎症があると外耳炎ということになります。耳かきによる傷や入浴、水泳がきっかけになることが多いです。夏季に多くみられます。症状としては耳の痛みが主な症状ですが、ひどくなると耳だれや出血、軽い難聴や耳のつまり感が出現したりします。外耳道の清掃と軟膏や点耳薬で治療しますが、ひどい場合は抗生物質や鎮痛剤の処方が必要になることがあります。改善するまで原則、耳を触らないように指導します。
突発性難聴
ある日突然、前ぶれなく片方の耳が聞こえなくなる原因不明の病気です。症状としては難聴のほか耳鳴り、めまいを伴うことがあります。できる限り早く治療を開始することが重要で、遅くとも発症から2週間以内に開始することが望ましいです。ステロイド薬や循環改善薬、ビタミン剤などを併用した薬物治療が多くの施設で行われていますが場合によっては入院加療が必要なこともあります。
メニエール病
突然ぐるぐる回るめまいが起こり、同時に片耳が聞こえにくくなったり、耳鳴り、耳のつまり感が出現したりします。めまいは30分くらいから数時間続き、めまいが軽くなると難聴や耳鳴りも同時に軽くなります。難聴は低い音が聞こえづらいという特徴があります。治療は抗めまい薬や利尿剤を使います。
良性発作性頭位めまい症
何気なしに頭を動かしたり、寝返りを打ったりしたときなどに激しい回転性のめまいを生じます。めまいは一瞬で長くとも数十秒で治まります。吐き気などを伴うことはありますが、難聴や耳鳴りなどを伴うことはありません。内耳の体のバランスをとるところの異常により生じ、耳が原因のめまいの中で多いと言われています。良性といわれるように2~3週間もすれば症状は改善します。
前庭神経炎
風邪などの症状のあとに激しい回転性のめまいが出現し、通常数日から一週間程度続きます。めまい、吐き気、冷や汗などが症状ですが、難聴や耳鳴りは伴いません。3週間程度までにはだいたい落ち着きますが、半年程度ふらつき感が続くことがあります。急性期の治療は安静と点滴、内服薬による治療が必要になります。
中枢性めまい
体のバランスの情報などを処理する、小脳や脳幹の病気が原因となるめまいです。一般的にめまいが起こると、脳に異常が起きたのではないかと思われる方が多いですが、一般的に脳の病気が原因で起こる、めまいは比較的少ないです。ほかに意識がもうろうとする、言葉が出ない、手足が動かしにくい、感覚がマヒしている、激しい頭痛がするなどの症状が伴う場合は、速やかに医療機関を受診してください。脳出血や脳梗塞、脳腫瘍等が疑われることになります。
顔面神経麻痺
ある日突然、顔の半分や一部が思うように動かせなくなる病気です。目が閉じられない、水を飲むとこぼれるなどの顔の症状のほかに難聴やめまい、耳が痛い、涙が出づらいなどの症状が出ることがあります。原因はヘルペスやみずぼうそうなどのウイルスの感染が原因と言われています。自然に改善する場合もありますが、重症の場合、後遺症を残すこともありますので早めに受診してください。